8月4日のゴールドは、私が見ていた時間帯の値幅で40ドルほど。数字だけ見れば特別な一日ではありません。ただ内容としては、普段は基本的に手を出さないブレイクのトレードを、条件が揃ったと判断して一度実行した日になりました。
結果から言えば、そのブレイクは戻されて撤退になっています。ただ、外したその一手が、夜のエントリーの土台になりました。順を追って見ていきます。

東京時間 ── 4069を頂点に、上値だけが伸びなくなる
この日の大枠は上昇で、価格は大きなチャネルラインの中に収まっている状態でした。その中で東京時間に入り、9時55分につけた4069.465が一つの頂点になります。
ここから先、高値は4065、4066、4067と並ぶものの、どれも4069を明確には超えられません。一方で安値のほうは、10時5分の4042.72を底に、4051、4055、そして16時台には4060.845まで切り上がってきます。上が水平に抑えられ、下が持ち上がってくる形、いわゆるアセンディング(上昇三角形)です。
ただしこの三角形の上端は、大きなチャネルの上部までは届いていません。全体としては上を目指しながら、その手前で押さえつけられている時間が続いていました。
16時台 ── 上端とMAの隙間が、埋まっていく
私は基本的にブレイクのトレードをやりません。抜けた瞬間に飛び乗る形は、戻されたときの損失が読みにくく、5分足一枚でやっている私のやり方とは相性がよくないからです。
ただ、この日の16時前後だけは違いました。価格が上端に張り付くように動きながら、下からはMAが支えている。その上端とMAの間を、ローソク足が隙間なくぎっしりと埋めていく動きになっていたのです。
こうした足の密集はクラスターと呼びますが、大事なのは形の名前ではなく中身のほうです。上端に押し返されているにもかかわらず、価格は下へ落ちてこない。つまり売り手が押し下げきれていない足が、並び続けている状態でした。ここまで隙間が詰まると、ブレイクまでの信頼性は非常に高くなります。私がブレイクで入る、数少ないパターンの一つです。
17時 ── 抜けた、そして戻された
17時ちょうどの足が4072.97まで伸び、4069の上端を上抜けました。想定していた形です。
ところが17時15分を過ぎたあたりから価格は伸びを失い、そのままレンジの内側へ戻ってきてしまいます。抜けた水準を維持できないのであれば、入った根拠はもう残っていません。ここは微損で撤退しました。
17時30分 ── 外れたブレイクが、売りを誘う
そしてここからが、この日の面白いところでした。上に抜けて戻ったという事実は、そのブレイクについていった参加者が、そろって同じ含み損を抱えたことを意味します。このブレイクは逆に罠になり、売りを誘う形になりました。
17時30分から反転して下落が始まり、18時台を通してじりじりと値を削って、19時15分の4045.62が下限になります。18時35分の4046.255と合わせて、4045付近を底にアーチを描くような下げ方でした。もっとも、この下落の途中は私の目にはエントリーチャンスのない場面として映っていて、手は出していません。
19時45分 ── 形は整った、ただし1stだった
19時45分の足が8ドルを超える陽線になり、価格は再び上を向きます。その後の押しはEMAに支えられ、20時前後で4053.38と4052.44という二つの安値を並べてダブルボトムを作りました。そこから陽線が出て、上値へ抜けていきます。
形としては入れるように見えます。ただ、このシグナルは1stでした。私のカウントでは、逆方向の足が出てから最初に現れるシグナルが1st、その次が2ndになります。1stは根拠として弱いと考えているので、ここは見送りました。
20時40分 ── 1.42ドルのリスクで拾う
見送った代わりに私が見ていたのは、1stで上抜けた4060という水準でした。直前まで上値を抑えていた場所ですから、抜けたあとに支えとして機能するのであれば、そこが次の起点になります。
20時40分、4059.42でロング。損切りは4058に置きました。1.42ドルしかありません。しっかりした押し目を形成するのを待って入ったわけではなく、その水準に触れた足そのものを根拠にしているので、この足が失敗した時点で撤退するという設計です。損切りをこれ以上広げても意味がありませんでした。
結果として20時40分の足は、安値4059.92から終値4069.715まで10ドル伸びる陽線になり、上昇の勢いはそのまま続きます。20時50分には4084.345をつけました。私は4076で利確しています。1.42ドルのリスクに対して、取れたのは16.58ドルでした。
外した一手が、勝ちを作っていた
こうして並べてみると、この日の勝ちトレードは、外したブレイクがあってはじめて成立していることがわかります。
- 16時台の密集を根拠にブレイクで入り、戻されて撤退した
- そのブレイクの失敗が売りを誘い、4045まで下げた
- 下げきったところから戻り、1stで4060を上抜けた
- その4060が支えとして機能するかを見て、触れた足で拾った
一つ目の判断が外れたからこそ、その後の下落と、下げ切ってからの戻りという流れが生まれました。もし17時のブレイクがそのまま伸びていれば、20時40分のエントリーは存在していません。外れた一手をその場の損失として切り離さず、そこから相場に何が起きるかを見続けていたことが、この日の結果につながっています。
普段やらないブレイクにこの日だけ入った根拠は、上端とMAの間が隙間なく埋まったことでした。ただ、そこで見ていたのは三角形という形の名前ではなく、その隙間を埋めた一本一本の足が何を語っていたかのほうです。パターンは判断材料として欠かせませんが、最後に決めるのはローソク足そのものだと考えています。
レンジ上端に張り付く動きが続き、下からMAが支え、その間をローソク足が隙間なく埋めていく。この形になったとき、ブレイクまでの信頼性は非常に高くなります。普段はブレイクを狙わない私が数少ない例外として入るのは、この密集が確認できたときです。

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