ゴールドの5分足を見ていると、つい「どこで入るか」ばかりを考えてしまいます。でも一日を振り返って勝ち負けを分けているのは、その何倍も多い「どこで入らなかったか」のほうです。
7月20日、月曜日。この日の東京時間は素直にトレンドが出た、分かりやすい相場でした。それでも私が実際にエントリーしたのは、夜のたった一度きり。今日は、その一度にたどり着くまでに何を見送ったのかを、時間の流れに沿って振り返っていきます。

東京の朝 ── きれいな形でも、シグナルがなければ入らない
東京時間が始まってすぐ、下降チャネルからV字を描いて反転し、移動平均線を背にした2nd(セカンド)のセットアップが組み上がってきました。ただ、実際にシグナルの足が出たのは9時50分で、正直なところ、シグナルとしてはあまり良い形ではありませんでした。
加えて私は、3996の戻り高値まで、しっかり価格を引き付けてから入りたいと考えていました。シグナルが出た位置はそこまで届いておらず、待っていた場所とは違います。だから、ここは見送りです。形の良し悪し以前に、自分が待った場所まで来ていない。こういう時に手を出さないことが、あとから地味に効いてきます。
その後、価格は4021の高値をつけてから下落し、ヘッド&ショルダー(SHS)のような形を作りました。下落のサインにも見えますが、まだ上昇の流れ自体は生きている場面です。ここで安易にショートを持てば、上への揺り戻しに捕まります。だから、ここも見送り。
SHSが否定されたあとに出てきたのが、11時台のクラスターでした。ここは押し目買いの場面です。ただ直前に陰線が3本続いていて、買いのシグナルとしては少し弱い。理想を言えばもう一段はっきりした足がほしいところですが、リスクをきちんと絞れるなら、入っても「あり」の局面ではありました。
チャートにも書き込みましたが、東京時間は決まった方向へきれいに動きやすい時間帯です。大局のトレンドの向きさえ読み違えなければ、割としっかり取れます。値動きが素直で、変に嫌らしいダマシを仕掛けてこない。これが東京の一番の良さです。
午後からロンドンへ ── 「やらない」が続く時間
裏を返せば、午後になると東京はレンジに沈むことが多く、よほどの形が出ない限り、私はこの時間帯には手を出しません。実際この日も、上端4028・下端4019のレンジを作り、下へ抜けたのが2ndでした。ただ、そこからのショートも狙えるチャンスとは言えず、見送りです。
15時を回ると値動きの角度が変わって、4000のすぐ手前で下げ止まります。こうなると、この価格帯では非常にやりづらい。結局きれいなシグナル足も出ないまま、次のラインをブレイクして、相場はロンドンの初動へと入っていきました。ロンドンも開始直後にいい形が出れば私は積極的に狙いますが、この日は動きが速すぎて、形が決まる前に走ってしまった。ここも見送りです。
18時台 ── この日、最も手を出してはいけなかった時間
そして夕方の18時台。私がこの日にチャートを開いたのが、ちょうどこの時間でした。あとから見れば一目瞭然ですが、ここは完全なレンジ。移動平均線を上下に何度も跨ぎ、ヒゲばかりが目立つ。こういう時間は、トレードをしてはいけません。
初心者がやりがちなのが、まさにこの場面です。方向感のないレンジを見て「次はこっちに動くはず」と予想を立て、無駄に振り回されて負ける。レンジのクラスターから、その先の展開を先回りして取ろうとする。それはもう分析ではなく、ただの予測です。根拠のない予測で入り続ける限り、痛い目を見るほうが多い。手を出さないと決めること自体が、立派な一つの判断です。
夜 ── 一日で唯一、引き金を引いた場面
私がこの日、実際にトレードしたのは21時からでした。上昇のブレイクから反転し、しっかりとした下降トレンドに入った時間帯です。とはいえ、本当に動きが出てくるのは大体22時以降。だから最初は何もせず、高値からのプルバックが来るのをじっと待ちました。狙いは4015付近です。
ここでのショートの根拠を、順番に説明します。まず、レンジのクラスターを認識し、その上端をしっかり捉えておく。そのうえで22時35分、強い下ヒゲをつけた陽線が出ました。この足を見て、多くのロング勢が本気で上のブレイクを狙いに来ている、と読みます。続く22時40分、今度は上ヒゲをつけて、一つ前の陽線の終値を下回って確定しました。この瞬間、上を買っていたロング勢は捕まった。そう判断できます。
私は、その足の安値を割ったところでショートを入れました。タイミングは、狙いどおりバッチリでした。ただ結果は、目標値に届かず。いったん4001まで下げたものの、そこから戻されてしまい、建値からわずかな損での撤退です。エントリーの根拠もタイミングも良かっただけに悔しいですが、伸びきらない相場もある。これも正直に記録しておきます。
相場は、入る時間よりも「入らない時間」のほうがずっと長い。とくに東京の初動のように素直な場面だけを選び、レンジや方向感のない時間では潔く手を引く。狙う時間と、手を出さない時間をはっきり分けることが、無駄な負けを一番減らしてくれます。
私のワンフレーム・プライスアクションは、5分足で各市場の開始時間、その初動だけを狙うシンプルな戦い方です。なかでも東京は素直にトレンドを出してくれるので、いつも積極的に狙っていきます。
一日を振り返れば、見送りばかりの静かな相場でした。それでも、その静けさの中で「入らない」を選び続けられたかどうかが、翌日の口座に効いてきます。

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